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平成24年度千葉大学国際教育センター主催・公開セミナー実施報告(4)

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 『世界で活躍する千葉大学卒業生に学ぶ世界の研究と教育』

フィリピン大学経営開発学部学部長・ブオット先生(フィリピン)

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 「グローバル人材」の育成に取り組む国際教育センターでは、千葉大生が個々のアイデンティティを持ちながら、「世界的な視野」をもって学ぶことの重要性に気づく機会を提供する1つの方法として、世界で活躍する本学卒業生を招聘した公開セミナーを実施している。その4人目の講師として来学してくださったのは、フィリピン大学の経営開発学部長をつとめておられるブオット先生Inocencio E. Buot Jrだ。ブオット先生は本学自然科学研究科で沖津教授の指導を受けて、1998年に博士号を取得、母国フィリピンに戻って教育・研究活動を活発に展開されている。以下、ブオット先生の4つのセミナーで千葉大生(計184人)が学んだ概要と、参加者アンケートの声を報告する。

第1回

日時&場所

H2518日(火)2限、西千葉キャンパス(総合校舎D32教室)

講義テーマ

Diversity of culture and dialects in the Philippines: some issues and concerns

 


 

Dr.Buot-2.jpg大小7,100もの島々からなるフィリピン共和国における多様な民族構成、文化、方言、生活について講義をしていただいた第1回目のセミナーには、看護学部・理学部・工学部・法経学部などの所属する学部生22人が参加した。

 ブオット先生が紹介された左下の写真は、イフガオ族が紀元前に建設に着手し、UNESCOの世界遺産に指定されたルソン島北部の壮大な棚田群だ。平地の少ない地理条件を最大限に活かして、穀物や野菜の栽培を続けている民族の智恵と工夫が見て取れる。また、民族衣装の織物には各民族の機織り技術が代々受け継がれ、その色彩とデザインにフィリピンの多様でユニークな民族文化が表れている。

  一方、80を超える民族グループが、述べ150以上もの方言を用いて生活しているフィリピンでは、共生に向けた課題も少なくない。たとえば、国語はタガログ語をベースとしたフィリピン語(Filipino)、公用語はフィリピン語と英語だが、母語として使われている言語は合計150以上もあり、国語や公用語として採用されなかった言語話者が持つ反感や、少数民族の母語の保護政策のあり方など、ブオット先生の講義は多岐に及び、知っているようで知らなかったフィリピンの様々な側面について学ぶことができた。

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Buot先生の講義用ハンドアウトから抜粋)

第2回

日時&場所

H2518日(火)5限、西千葉キャンパス(総合校舎C11教室)

講義テーマ

Trends in research and education at the University of the Philippines

 

 


2回セミナーには、様々な学部から42人の学部生が出席した。「フィリピンには国立大学が1つしかない」というブオット先生のお話に驚くと同時に、多くの島々からなる国土のどこに住んでいても、大学教育の機会が等しくあるように整備されたフィリピン大学のOpen Universityのシステム(インターネットを使い、豊富なデジタル・コンテンツを活用した授業を受けてフィリピン大学から学位を取得ができる制度)にびっくりした学生も。また、国中に散らばる15のキャンパスで学ぶ約5万人の学生の様子を紹介したビデオを見せていただきながら、1909年の大学創立以来、科学技術・芸術・政治・法曹界など、様々な分野の第一線で活躍する卒業生を輩出しているフィリピン大学の歴史と、大学の将来展望についてお話を伺った。

  講義の途中、参加者に質問を投げかけ、学生と語りあいながら話を進める講義スタイルに最初はドキドキしていた学生も、学生の目を見つめて、熱心に話されるブオット先生の講義にどんどん引き込まれていった。

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(写真右:Buot先生の講義用ハンドアウトから抜粋)   

第3回

日時&場所

H2519日(水)2限、松戸キャンパス(園芸学部E棟4階・エキスパート演習室)

講義テーマ

Current status of environmental conservation in the Philippines

 


Dr.Buot-8.jpgのサムネイル画像松戸キャンパスで開催されたブオット先生の3回目の公開セミナーには、園芸学部生20人が出席し、フィリピンにおける環境保護活動について学んだ。

  合計7,100もの島々からなるフィリピンには、そこでしか生育・繁殖しない「固有種」(endemism)が多数あり、その多様性は"Galapagos times ten" と称されるほどの豊かな遺伝子学的多様性や種の多様性をもっている。

 しかし、近年さかんに行われている土地転換(居住地や農地拡大のための森林伐採等)によって、それら固有種の生育や繁殖に悪影響が及んでおり、絶滅危惧されている種も存在する。講義では、フィリピンの森林と人々の暮らしの間にある「里山」において、自然保護活動がどのように行われているか、ブオット先生ご自身が関わっておられる活動事例についてお話を伺った。

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 (写真右下:Buot先生の講義用ハンドアウトから抜粋)

 

第4回

日時&場所

H25年1月10日(木)4限、西千葉キャンパス(法経学部大学院棟1階・院演習室1)

講義テーマ

Philippine biodiversity, environmental and socioeconomics




 松戸キャンパスで開かれた第3回公開セミナーで扱われたテーマ(フィリピンにおける環境保護活動)について、西千葉キャンパスでもブオット先生の講義を聞く機会を持つことができた。出席したのは法経学部の学生12人と J−Pac.の留学生3人。

  森林破壊による固有種の減少をはじめ、同じ農地での1つの作物の栽培(単一栽培)による収穫量の激減による食料不足への懸念など、食料不安に対する国家の長期的な対応策が後手に回っているフィリピンの現状についてお話を聞きながら、古来の「自然」と「人間」のあり方(人間は自然の一部として存在し、相互に依存していた関係)と、近代の「自然」と「人間」のあり方(人間の利益のために資源等を支配・操作し、人間が自然を支配する関係)とを比較しながら、将来を見据えた今後のあるべき関係について、ブオット先生と共に深く考える時間を持つことができた。

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=セミナー参加者の声=

 日本だけでなく世界の自然環境保全や農業や林業の現状が分かって良かった。フィリピンへ行ってみたくなった」(園芸学研究科・1年)

「教師の方の熱血さがすごくよく伝わった」「日本でも、英語による授業を増やしていくべきだと思った。まず、授業に対する集中力がかなり高まるのが利点。普段から英語に慣れておくことで、海外留学への関心も高まっていくと思う」(園芸学部園芸学科・1年)

「自分が日本の世界遺産について全然知らないことに気づかされました。国際的な視野で学ぶことによって自国のこともよくわかると思いました」(理学部数学・情報数理学科・4年)

「先輩のプレゼンは、1人1人の目を見て話していて、堂々としてかっこよかった」(工学部建築学科・3年)

「自分の興味ある分野について質問し、回答をいただけたこと(が特に印象に残っている)」(園芸学部緑地環境学科・3年)

Dr.Buot-12.jpg「国際化が進んでいる現代において、英語は他国の人とコミュニケーションするツールとして最も重要だが、今回の講義で自分の英語力のなさを痛感した。もっと他国の人と触れあう機会が増えればと思う」(看護学部・4年)

「日本もフィリピンも同じ島国だが、対外的な面で全く異なると思った。日本では"国内だけで生きていける"と思っている人が多すぎると思う。国際的な考え方を持ち、広い場所で生きていくべきだと思う」(法経学部総合政策学4年)

「私は"国際的な視野"について、とにかく周囲に合わせようとしているという印象を持っていました。しかし、今回の授業で、自分の理解が及ばなかった事も含め、様々な形での情報交流で互いの事を知ること、それによる問題点の改善などが重要であり、それが"国際的な視野"を持つ事なのだと感じました」(工学部ナノサイエンス学科・2年)

「今後もこのような取り組みを実施してほしい」(法経学部総合政策・3年)


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