学長との懇談会「グローバル人材育成を目指した環境づくりと海外留学について」
開催日時:平成24年12月10日(月)16:00~17:30
開催場所:国際教育センター2階会議室
テーマ:「グローバル人材育成を目指した環境づくりと海外留学について」
大学側出席者:千葉大学学長 齋藤康先生
千葉大学理事(教育担当) 長澤成次先生
司会:千葉大学国際教育センター長 新倉涼子先生
学生参加者:
看護学部看護学科3年、守山 幸亜: 平成23年度グローバルスタディプログラム(フィンランド・セイナヨキ大学)に参加。自らの職業と直接関係するボランティア活動をフィリピン、インド、オーストラリア等で体験。 工学部電気電子工学科4年、渡邉 拓: 平成24年度後期の日英2言語併用授業「異文化交流演習」受講。高校時代にアメリカ・ロサンジェレスに1か月ホームステイ。外国人留学生を受け入れるホストファミリーの経験もあり。 園芸学部食料資源経済学科4年、宮平 華枝: 平成23年度派遣留学生。カナダ・アルバータ大学へ1年間交換留学。平成24年度グローバルスタディプログラムに参加。 教育学研究科修士2年、吉村 将人:平成23年度派遣留学生。フィンランド・セイナヨキ大学へ1年間交換留学。平成25年度インドネシアへ留学予定。高校時代にも留学経験あり。
1. 千葉大生の視点からみたグローバル人材とは?
言葉が通じなくても心が通じ合えるようなグローバル社会に柔軟に対応できる人材育成を目指すと同時に、これからのグローバルな時代に学生各々がもつ技術や専門性をより生かせる場が国内よりも海外であるならば、その機会を奪わないことが重要であるという考えに基づき、大学側はグローバル人材育成を長期目標に掲げ、推進する方向であるということが学長から参加学生に伝えられた。
2. 千葉大学におけるグローバル人材育成のための環境づくり
<交流の場について>
学生側からは、定期的に留学生との交流イベントを開催することや留学経験者の集まりを企画するなど、大学のなかで留学生と触れ合える場が色々あるといいという意見がだされた。千葉大学は、国際交流の場としてEnglish Houseを開設している。学長は、学生がアシスタントとしてイベントの企画・実施に参加し、English Houseを盛り立ててほしい、と学生の積極的な活動に対する期待を述べた。また、学生の交流だけでなく、留学経験者や留学に興味のある日本人の学生との交流も必要であると考えており、様々な形での国際交流活動を企画し、活動内容の詳細がわかるような「交流カレンダー」を作りたいという意見も出た。さらに、イングリッシュハウスの交流イベントとして、映画上映会を開き内容について英語で議論するような催しを企画・実施したり、英文チェックや英語表現の学びの場として、TOEFLを含め色々な英語の授業があればいいと、学生側からイングリッシュハウスの効果的活用に関する様々なアイデアが提案された。
<英語教育>
海外留学の経験を積んでこそ気付くこともある。留学経験のある学生からは、留学中に日本について海外で聞かれることがあったが、日本について話す際に、驚くほど自分が日本について知らないことに気付かされたという意見があった。海外では、日本のことを英語で説明できる必要を学生は感じている。2013年4月から、千葉大学では「国際日本学」という副専攻がスタートし、国際教育センターでは英語を媒介言語とした授業および日英ニ言語を併用したアクティブラーニング型授業を増やしていくので、日本について英語で知識を身に付け、英語で説明できる能力を体得するための学習機会として、積極的に受講してほしい。
大学で英語を学ぶ機会に対し学生側の期待が高まる背景には、千葉大学の英語教育がグローバル人材教育という時代要請に対し、まだ十分でないと学生側が認識していることがみてとれた。例えば、亥鼻キャンパスや松戸キャンパスでは英語の授業が非常に限られている上、医療英語のような専門的な英語を学びたいという、さらに高度な英語能力の習得を目指したいと学生側は考えている。まずは、新たに開講する国際日本学の授業を英語能力の向上に大いに活用していただきたい。また、学生側の自分の関心のある分野の英語や表現を留学生に教えてもらうような機会を作りたいという要望に対し、国際交流イベントの企画を充実させることのほか、大学の英語教育の再検討も今後必要となるであろう。大学側には英語教育の機会と環境を整備することが求められる一方で、学生側には、自分を表現する技法を身につけるとともに、自分の学問につながるような学びに対して一層意欲的に取り組むことが望まれる。
3. 千葉大学からの海外留学
これからの時代は、専門性を高めることのなかにグローバル人材であることが必然的に求められる時代である。千葉大学から世界へ、そして日本の内なるグローバル化を担う人材として千葉大生が社会で活躍していくために必要な教育を大学、教職員、学生の協働により創造し、新たな一歩を踏み出そう。